いま話題のインデックス投資に興味があるけど、メリット・デメリットがいまいちよくわからない。誰か理由とともにわかりやすく教えてほしい。
こんなお悩みを解決します。
- この記事を読んでわかること
- インデックス投資の5つのメリット
- インデックス投資の2つのデメリット
- この記事を書いている人
本記事を書いている僕は投資歴4年で、これまでに約271万円を投資し、現在、約86万円のトータルリターン(利回り31.8%)を得ています(2023年2月時点)。
僕は、「水瀬ケンイチさん」と「山崎元さん」の書籍から得た学びを、実際に行動へ移すことで、大きなリターンを得ることができました。
<プロフィール>
- 都内IT企業で働きながら、投資を15年以上続けている個人投資家。
- 運営している投資ブログ「梅屋敷のランダム・ウォーカー」は、インデックス投資のバイブル的存在として知られている。
<プロフィール>
- 国内外の様々な金融機関を渡り歩いてきた金融のプロ。
- 現在は、経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員、株式会社マイベンチマーク代表取締役など、様々な肩書で活躍されている。
今回は、水瀬さん、山崎さんの書籍から得られた学びと、僕の実経験での理解をもとに、インデックス投資のメリット・デメリットについて解説します。
インデックス投資のメリットは?
大きく5つのメリットがあります。
<インデックス投資のメリット>
- 安心して投資ができる
- 仕事と両立できる
- 少額から始められる
- 投資した資金(=元金)は100%守られる
- 長期的に見れば、利益を得やすい投資方法である
これから、詳細について説明します。
メリット①:安心して投資ができる
1つめのメリットは、安心して投資ができる点です。
インデックス投資は実は、超王道な投資方法として知られており、金融のプロである機関投資家(年金基金や信託銀行、生命保険会社など)の間で積極的に採用されています。例えば、日本最大級の機関投資家であるGPIF(年金積み立て管理運用独立行政法人)では、運用資金197兆円の内、約85%の資金(167兆円)がインデックス投資で運用されています。
このように、インデックス投資は超王道な投資方法であるため、安心して投資することができます。
これが、インデックス投資の1つめのメリットになります。
メリット②:仕事と両立できる
2つめのメリットは、仕事と両立できる点です。
インデックス投資は、自分が選んだインデックスファンドを、毎月同じタイミングに、同じ金額を積み立て購入し、長期保有するだけの投資方法になります。ですので、購入後は基本的に放ったらかしでOKのため、全く負担がありません。株価チャートを確認したり、決算短信や有価証券報告書を読み込んだりする必要も全くありません。
年1回、「リバランス」という作業が必要となりますが、こちらもすぐ終わる作業であるため、全く負担になりません。
(リバランスの詳細は、下記記事の「年に1回、リバランスをおこなう」参照)
このように、インデックス投資は作業負担が極めて小さい投資のため、仕事との両立が可能となります。
これが、インデックス投資の2つめのメリットになります。
メリット③:少額から始められる
3つめのメリットは、少額から始められる点です。
例えば、株式に投資する場合、株式の銘柄は100株単位でしか購入できないため、多くの投資資金が必要となります。一方、インデックスファンド(=投資信託)の場合、100円から購入できるため、少ない投資資金で始めることができます。
例えば、アップルの株式へ投資する場合と、インデックス投資をする場合とを比較すると、次のようになります。
このように、インデックス投資の方が、少ない投資資金で始めることができます。
これが、インデックス投資の3つめのメリットになります。
メリット④:投資した資金(=元金)は100%守られる
4つめのメリットは、投資した資金(=元金)が100%守られる点です。
インデックスファンド(=投資信託)の運用には、「販売会社」「運用会社」「信託銀行」の3つの金融機関が絡んでいます。それぞれの役割をまとめると、次のようになります。
この図から分かるように、投資家から集めたお金(=信託財産)はすべて、信託銀行が一元管理しているため、仮に販売会社や運用会社が破綻したとしても、投資した資金に影響は全くありません。
また、信託銀行で管理されている「信託財産」は、信託銀行の自社財産とは分別管理することが法律で義務付けられているため、万一、信託銀行が破綻しても、分別管理されている信託財産、すなわち、投資した資金は100%守られます。
まとめると、次のようになります
これが、インデックス投資の4つめのメリットになります。
メリット⑤:長期的に見れば、利益を得やすい投資方法である
5つめのメリットは、長期的に見れば、利益を得やすい投資方法である点です。
この内容を理解するためには、インデックス投資で利益が得られる理屈について、理解する必要があります。
<インデックス投資で利益が得られる理屈>
- 資本主義経済には、株価を上げる仕組みがある
- 人々の欲求が加わると、さらに株価は上がる
- 長期になると、複利の効果が働き、さらに株価は上がる
- 株価上昇に伴い、各種指標(インデックス)も上がる
- インデックス上昇に伴い、インデックスファンドの価格も上がる
- インデックス投資でリターンが得られる
これから、詳細について説明します。
資本主義経済の仕組みをまとめると、次のようになります。
この図の①〜⑥をグルグル回している内に、資本が自己増殖し、その過程で株価が上がっていきます。このように、資本主義経済には、株価を上げていく仕組みがあります。
資本主義経済の仕組みに、「人々の豊かになりたい」という欲望が加わると、①〜⑥のサイクルが高速化していきます。その結果、さらに株価は上がってきます。
STEP2の株価上昇は、長期になればなるほど、雪だるま式に大きくなります。長期になると、複利効果が働くためです。
(複利効果の詳細は、下記記事の「なぜ、長期保有すべきか?」参照)
実際、資本主義経済を採用している米国では、資本主義経済×人々の欲望×複利効果で、1801年〜2021年の間で、米国株は約230万倍になっています。
次のグラフは、「米国株式や米国債券、金(ゴールド)、米ドルをそれぞれ、1801年に1ドル分購入した場合、220年後にいくらになっていたか」を、株式投資の世界的権威であるジェレミー・シーゲル氏が調査した結果になります。
このグラフを見て分かる通り、この220年の間に、二度の世界大戦(第一次世界大戦、第二次世界大戦)、ブラックマンデー(史上最大規模の世界的株価大暴落)、アメリカ同時多発テロ、新型コロナウイルス感染等が起きているにも関わらず、米国株の株価は右肩上がりとなっており、2021年の米国株価は、1801年の約233万倍となっています。
株価が上がっていくと、連動して各種指標(インデックス)も上がっていきます。インデックスは、株価もしくは時価総額を指数化したものだからです。例えば、日本の代表的なインデックスである「日経平均株価」と「TOPIX」の概要をまとめると、次のようになります。
- 東京証券取引所のプライム市場に上場している銘柄の内、日本経済新聞社が選定した225銘柄の株価を平均化し、指数化したもの。
- このインデックスは株価平均であるため、株価が上昇すると、インデックスも上昇する。
- 1968年1月4日の東京証券取引所に上場していた全銘柄の時価総額を100ポイントとした場合、現在の時価総額はいくらかを指数化したもの。
- このインデックスの時価総額は「時価総額=株価×発行済み株式数」に分解できるため、株価が上昇すると、インデックスも上昇する。
このように、インデックスは、株価もしくは時価総額を指数化しているため、株価が上昇すれば、インデックスも連動して上がっていきます。
インデックスが上がれば、インデックスファンドの価格も上がっていきます。インデックスファンドは、インデックスに連動する運用成果を目指す投資信託だからです。
インデックスファンドの価格が上がれば、インデックスファンド購入時価格を上回るため、利益を得ることができます。
以上が、インデックス投資で利益が得られる理屈の詳細になります。再度、この理屈をまとめると、次のようになります。
<インデックス投資で利益が得られる理屈>
- 資本主義経済には、株価を上げる仕組みがある
- 人々の欲求が加わると、さらに株価は上がる
- 長期になると、複利の効果が働き、さらに株価は上がる
- 株価上昇に伴い、各種指標(インデックス)も上がる
- インデックス上昇に伴い、インデックスファンドの価格も上がる
- インデックス投資でリターンが得られる
この理屈から分かるように、インデックス投資は、「資本主義経済が今後も継続すること」「人々の豊かになりたいとの欲望が今後も尽きないこと」が利益の源泉となっています。つまり、これらの源泉が今後も続くと予想されるのであれば、インデックス投資も利益を上げ続けられると言えます。
それぞれの利益の源泉の今後について、考えてみると、1つめの源泉である「資本主義経済」に関しては、今後も継続すると予想されます。西側諸国を中心とした国々で資本主義経済が廃止され、すべて社会主義経済へ置き換わるとは考えにくいためです。
2つめの源泉である「人々の豊かになりたいとの欲望」に関しても、今後尽きないと予想されます。発展途上国の人々は先進国同等の生活を送りたいとの欲望を、先進国の人々はAIや量子コンピュータといった最新技術を用いて、より豊かに、より快適に過ごしたいとの欲望を、潜在的に抱いていると考えられるためです。
このように、インデックス投資の利益の源泉は今後も続くと予想されるため、インデックス投資は長期的に見れば、利益を上げ続けられる(=利益を得やすい)投資方法と言えます。以上が、インデックス投資の5つめのメリットになります。
インデックス投資のデメリットは?
大きく2つのデメリットがあります。
<インデックス投資のデメリット>
- 長期保有すると手数料がかかる
- すぐに大きな利益は出せない
これから、詳細について説明します。
デメリット①:長期保有すると手数料がかかる
1つめのデメリットは、インデックスファンドを長期保有すると手数料がかかる点です。
インデックスファンド(=投資信託)には大きく、3つの手数料がかかります。概要をまとめると、次のようになります。
インデックス投資は、インデックスファンドを積み立て購入し、長期保有する投資方法になります。ですので、②の手数料が継続的にかかってしまうとの欠点があります。これが、インデックス投資の1つめのデメリットになります。
しかし、近年、①③の手数料は無料、②の手数料も0.1%〜0.2%と低コストのインデックスファンドが出てきていますので、このデメリットも、かなり小さくなってきていると言えます。
デメリット②:すぐに大きな利益は出せない
2つめのデメリットは、すぐに大きな利益を出せない点です。
次の図は、「1つの銘柄に収集投資する場合」と「インデックス投資する場合」とを比較した図になります。
この図から分かるように、インデックス投資で得られる利益は「複数の銘柄の利益と損失の合算」となるため、集中投資に比べ、すぐに大きな利益を出せないとの特徴があります。
これが、インデックス投資の2つめのデメリットになります。
まとめ
今回はインデックス投資のメリット・デメリットについて、解説しました。要点をまとめると、次のようになります。
- インデックス投資のメリットは?
5つのメリットがあります。
- 安心して投資ができる
- 仕事と両立できる
- 少額から始められる
- 投資した資金(=元金)は100%守られる
- 長期的に見れば、利益を得やすい投資方法である
- インデックス投資のデメリットは?
2つのデメリットがあります。
- 長期保有すると手数料がかかる
- すぐに大きな利益は出せない
本記事を読んで、実際にインデックス投資に挑戦してみたいと感じた方は、こちらの記事に、具体的な始め方をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
今回は以上です。それでは。
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