将来に備えて投資したいけど、何から始めればいいかわからない。
投資初心者にオススメの投資方法を、誰か基礎から教えてほしい。
こんなお悩みを解決します。
- この記事を読んでわかること
- 投資初心者にオススメの投資方法
- その投資方法がオススメの理由
- その投資方法をさらに深く理解する方法
- この記事を書いている人
本記事を書いている僕は投資歴4年で、これまでに約271万円を投資し、現在、約86万円のトータルリターン(利回り31.8%)を得ています(2023年2月時点)。
僕は、「水瀬ケンイチさん」と「山崎元さん」の書籍から得た学びを、実際に行動へ移すことで、大きなリターンを得ることができました。
<プロフィール>
- 都内IT企業で働きながら、投資を15年以上続けている個人投資家。
- 運営している投資ブログ「梅屋敷のランダム・ウォーカー」は、インデックス投資のバイブル的存在として知られている。
<プロフィール>
- 国内外の様々な金融機関を渡り歩いてきた金融のプロ。
- 現在は、経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員、株式会社マイベンチマーク代表取締役など、様々な肩書で活躍されている。
今回は、水瀬さん、山崎さんの書籍から得られた学びと、僕の実経験での理解をもとに、投資初心者にオススメの投資方法について解説します。
投資初心者にオススメの投資方法は?
インデックス投資がオススメです。
僕が採用している投資方法も、インデックス投資になります。概要をまとめると、次のようになります。
- 分散投資の一種。
- 投資信託のひとつである「インデックスファンド」を、毎月同じタイミングに、同じ金額を購入(=積み立て購入)し、長期間保有し続ける投資方法。
- 「分散投資」「投資信託」「インデックスファンド」「積み立て購入」「購入金額一定」「長期保有」がキーワード。
なぜ、インデックス投資がオススメか?
投資の全体像から考えると、インデックス投資が最も合理的な投資方法だからです。
投資の全体像におけるインデックス投資の位置づけをまとめると、次のようになります。
インデックス投資が合理的である理由を理解するには、インデックス投資のキーワードである「分散投資」「投資信託」「インデックスファンド」「積み立て購入」「購入金額一定」「長期保有」にからんだ、次の6点を理解する必要があります。
- なぜ、分散投資すべきか?
- なぜ、投資信託で分散投資すべきか?
- なぜ、インデックスファンドを購入すべきか?
- なぜ、積み立て購入すべきか?
- なぜ、購入金額一定でおこなうべきか?
- なぜ、長期間保有すべきか?
これから、詳細について説明します。
なぜ、分散投資すべきか?
投資における損失リスクを低減できるためです。
投資は大きく、「集中投資」と「分散投資」に大別できます。概要をまとめると、次のようになります。
集中投資の場合、その銘柄が値上がりすれば大きな利益を得られますが、逆に値下がりすれば大きな損失を被ってしまいます。一方、分散投資の場合、複数の銘柄の利益と損失の合算となるため、大きな利益は得られませんが、大きな損失も被りにくいとの特徴があります。
また、投資の世界には、「卵をひとつのカゴに盛るな」との格言があります。これは、卵を複数のカゴに分けていれば、ひとつのカゴを落としても、すべての卵がダメになるのを防げるため、投資においても複数の銘柄に分散投資すべきとの教えです。
よって、投資をおこなう際は、分散投資すべきと言えます。
なぜ、投資信託で分散投資すべきか?
投資信託であれば、個人であっても、少額で分散投資できるためです。
分散投資は大きく、「個人で分散投資する方法」と「投資信託で分散投資する方法」に大別できます。投資信託の概要も含めて整理すると、次のようになります。
- 投資家から集めたお金をひとつにまとめて、運用の専門家が国内外の株式や債券などに分散投資する金融商品のこと。「ファンド」とも呼ばれる。
- 株式の投資信託のイメージは次のとおり。
個人で分散投資する場合、多くの投資資金が必要となります。株式の銘柄は100株単位でしか購入できないためです。
例えば、アップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、グーグルへ個人で分散投資すると、次のように、約890万円かかります(2023年1月17日時点)。
一方、これら5社の銘柄がパッケージされた投資信託である「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」であれば、100円から購入できます。投資信託は最低購入金額が100円と、非常に低いためです。
このように、投資信託であれば、個人であっても少額で分散投資が可能となります。
よって、分散投資をおこなう際は、投資信託で分散投資すべきと言えます。
なぜ、インデックスファンドを購入すべきか?
インデックスファンドはアクティブファンドに比べ、圧倒的によい運用成果を上げているためです。
投資信託は大きく、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に大別できます。概要をまとめると、次のようになります。
例えば、日本経済全体の指標の1つである「TOPIX」連動のインデックスファンドの場合、TOPIXが1%上昇すると、インデックスファンドの価格も1%上昇します。この1%を超える価格上昇を狙うのが、アクティブファンドになります。
次のグラフは、日本国内・先進国株式クラスにおける、インデックスファンド・アクティブファンドそれぞれの運用成果の勝率を比較した結果を示しています。どちらにおいても、インデックスファンドの方が、圧倒的によい運用成果を上げているとわかります。
他の国々でも比較しても、結果は同じく、インデックスファンドの方がよい運用成果を上げています。
よって、投資信託で分散投資する際は、インデックスファンドを購入すべきと言えます。
- 補足:インデックスファンドの運用成果の勝率が高い理由
インデックスファンドはアクティブファンドに比べ、低いコスト(=手数料)で運用できるためです。
例えば、日本のインデックスファンド「eMAXIS Slim国内株式インデックス」と、日本の上位5銘柄のアクティブファンドの手数料(=運用管理費用)を比較すると、インデックスファンドはアクティブファンドの約10分の1になります。
なぜ、積み立て購入すべきか?
インデックスファンド購入時の損失リスクを低減できるためです。
インデックスファンドを購入する方法は大きく、「一括購入」と「積み立て購入」に大別できます。概要をまとめると、次のようになります。
常に最安値のタイミングで購入できるのであれば、一括購入でもいいですが、プロでも難しいこの芸当を素人ができるとは考えられません。万一、最高値で一括購入してしまうと、分散投資をしているとはいえ、大きな損失を被ってしまいます。
よって、インデックスファンドを購入する際は、積み立て購入すべきと言えます。
なぜ、購入金額一定でおこなうべきか?
平均購入単価を安くできるためです。
インデックスファンドの積み立て購入方法は大きく、「口数一定で購入する方法」と「金額一定で購入する方法」に大別できます。概要をまとめると、次のようになります。
これら二つの購入方法のうち、どちらの方が平均購入単価を安くできるか、次のように評価額(=インデックスファンドの値段)が変動するインデックスファンドで、考えてみます。
このインデックスファンドを毎月5口分購入する場合と、毎月5万円分購入する場合とで、購入金額合計と購入口数合計を比較すると、次のようになります。
これらの購入金額合計を購入口数合計で割ることで、平均購入単価を計算すると、次のようになります。
この結果から分かるように、口数一定の積み立て購入より、金額一定の積み立て購入の方が平均購入単価は安くなります。これは、価格が高いときに少なく、価格が低いときに多く購入することで、購入価格が平準化されるためです。なお、こういった「金額一定で積み立て購入する方法」のことを、投資用語で「ドルコスト平均法」と言います。
よって、積み立て購入する際は、購入金額一定でおこなうべきと言えます。
なぜ、長期保有すべきか?
大きく、2つの理由があります。これから、詳細について説明します。
- 複利効果により、利益が大きくなるため
1つめの理由は、長期保有すると複利効果により、利益が大きくなるためです。
複利とは利息の計算方法のひとつで、概要をまとめると、次のようになります。
- 一定期間ごとに支払われる利息を、元金に組み入れて計算する方式のこと。
- 「元金+利息」に対して利息がつくため、毎年、利息額(=利益)が増えていくとの特徴がある。
- この利益が増えていく特徴を「複利効果」と言う。
例えば、インデックスファンドを100万円分購入し、年率10%で運用できた場合の複利効果は次のようになります。
複利の凄いところは、長期になればなるほど、指数関数的に利益が大きくなることです。例えば、先程のインデックスファンドを35年間運用した場合、次のようになります。
このように、長期になればなるほど、複利効果が大きくなるため、利益も大きくなります。
- 平均回帰性により、あるべき利益を得やすくなるため
2つめの理由は、長期保有すると、平均回帰性により、あるべき利益を得やすくなるためです。
平均回帰性とは統計学の用語で、概要をまとめると、次のようになります。
- 短期的にはランダムに発生しているように見える事象でも、長期的には平均値へ収束していく性質のこと。
- 「大数の法則」とも呼ばれる。
例えば、サイコロを振り、出た目の値の平均値を記録していくと、最初は大きくバラつきますが、長期になると、やがて出る目の平均値である3.5(=(1+2+3+4+5+6)÷6)に収束していきます。これが、平均回帰性になります。
インデックスファンドでも、同じ事象が起こります。インデックスファンドの利益も最初は大きくバラつきますが、長期になると、「あるべき利益(=統計的に計算されたインデックスファンドが取り得る利益)」へと収束していきます。
例えば、1950年~2017年の間、米国株式市場のインデックスである「S&P500」に投資し続けていた場合、1年目のあるべき利益は-37%〜+53%の範囲で大きくバラついていたのに対し、25年目のバラつきは+5.9%〜+17.3%の範囲に縮まっており、あるべき利益である+10%に収束していたことがデータで検証されています。
このように、長期になればなるほど、平均回帰性の力が働くため、あるべき利益を得やすくなります。
よって、購入したインデックスファンドは、長期保有すべきと言えます。
理由まとめ
以上をまとめると、次のようになります。
これらすべてを満たす投資方法は、インデックス投資のみであるため、投資全体像から考えると、インデックス投資が最も合理的な投資方法だと言えます。
以上から、投資初心者にオススメの投資方法は、「インデックス投資」一択と言えます。
インデックス投資をさらに深く理解する方法は?
次の3冊の書籍を読み込むと、さらに理解度が深まります。
【1冊目】お金は寝かせて増やしなさい
1冊目は、水瀬ケンイチさんの「お金は寝かせて増やしなさい」です。
僕は、この書籍を繰り返し読み込むことで、インデックス投資の基礎を身につけました。
この書籍は、インデックス投資の考え方や具体的な実践方法を、平易な言葉でわかりやすく解説してくれています。水瀬さんの実際のインデックス投資記録(2004年〜2014年)や、インデックス投資の出口戦略を学べるのも魅力です。
お金は寝かせて増やしなさい|水瀬ケンイチ
マンガ版も出ていますので、文字を読むのが苦手な方はこちらがオススメです。
マンガ お金は寝かせて増やしなさい|水瀬ケンイチ
【2冊目】難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!
2冊目は、山崎元さんの「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」です。
投資の初心者からの質問を、金融のプロの山崎さんが答えていく対話方式の一冊で、こちらも平易な言葉で、インデックス投資をわかりやすく解説してくれます。専門用語がほとんど出てこないのも魅力です。
難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!|山崎元、大橋弘祐
【3冊目】難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!
3冊目は、水瀬ケンイチさん、山崎元さん共著の「ほったらかし投資術」です。
インデックス投資の考え方や実践方法を、水瀬さん、山崎さんそれぞれの目線で解説されており、非常に学びが大きい一冊です。
ほったらかし投資術|山崎元、水瀬ケンイチ
まとめ
今回は投資初心者にオススメの投資方法について、解説しました。要点をまとめると、次のようになります。
- 投資者にオススメの投資方法は?
インデックス投資がオススメです。
- なぜ、インデックス投資がオススメか?
投資の全体像から考えると、インデックス投資が最も合理的な投資方法だからです。
- インデックス投資をさらに深く理解する方法は?
次の3冊の書籍を読み込むことです。
- お金は寝かせて増やしなさい|水瀬ケンイチ
- 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!|山崎元、大橋弘祐
- ほったらかし投資術|山崎元、水瀬ケンイチ
本記事を読んで、実際にインデックス投資に挑戦してみたいと感じた方は、こちらの記事に、具体的な始め方をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
挑戦する前に、インデックス投資のメリット・デメリットをしっかりと理解しておきたい方は、こちらの記事を参考にしてださい。
今回は以上です。それでは。
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